2011年3月26日土曜日

「HELLGATE(仮)」はいかにして蘇ったのか? CEO

 ハンビットユビキタスエンターテインメントにより現在鋭意“再生中”の「HELLGATE(仮)」の動きが,にわかに活発になってきた。一般的な“βテスト”よりも前に,“評価?改善テスト”を行うというプランが5月25日に発表されたのだ。これは,日本語版HELLGATEが単純なローカライズ(=翻訳)に留まらず,フィードバックを積極的に取り込んだうえで,今後大きく変化していく可能性があることを意味する。

 今回は,HUEのCEOである金 裕羅 (Yoo Ra Kim)氏に,HELLGATEの過去から現在,そして未来について話を聞いてきた。また同時に,同作の運営プロデューサーを務める中尾圭吾氏の説明を受けつつ,開発真っ只中の最新バージョンをチェックしてきた。そこで得た情報を,2部構成の記事でたっぷりとお届けしたい。まずはYoo Ra Kim氏へのインタビューから紹介しよう。


HELLGATE再生への道


HUE代表取締役CEO 金 裕羅 (Yoo Ra Kim)氏
4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。
 Kimさんとは2008年のG★のときのインタビュー以来ですね。当時はT3 Entertainmentの所属でしたが,日本でサービスを行うHUEのCEOに就任されたのはいつごろでしょうか?

HUE代表取締役CEO 金 裕羅 (Yoo Ra Kim)氏:
 2009年の6月に,CEOに就任しました。それからは以前と比べても,日本のタイトルの運営に力を入れているので,注目してください(笑)。

4Gamer:
 確かに最近のHUEは,大型タイトルを次々とリリースしていますよね。
 今日はその中の一つ,HELLGATEについてお伺いしたいと思います。HUEが日本国内におけるサービス権を獲得してから,約4か月が経過しましたが,現在の心境はいかがですか?

Yoo Ra Kim氏:
 今までいろいろなことがあったタイトルなので,現在このように再出発に向けて動き出しているのは感慨深いですね。先行してサービスを開始している韓国では,大型アップデートの「HELLGATE:Tokyo」も無事にリリースできましたし,今は日本の皆さんに向けて,このHELLGATEをお見せする日が待ち遠しいです。

4Gamer:
 Flagship Studiosから開発を引き継いだ形になりますが,そのあたりの作業は順調に進みましたか?

Yoo Ra Kim氏:
 今だから話せることですが,2年前に引き継いだ当時は,もう本当に大変で,再びリリースできるのかを疑問視する声が,社内からも挙がるほどでした。

4Gamer:
 どのあたりがとくに大変でしたか。

Yoo Ra Kim氏:
 まずは,他社のプログラマが開発したソースコードを引き継ぐことです。これに関しては,運営移管に関する法的問題をクリアしたあとに,私自身がFlagshipのスタジオがあるサンフランシスコまで飛び,旧開発スタッフを20名近く集めました。
 そしてしばらくの間,彼らと共に作業しながら,Flagship流のプログラミングスタイルを吸収していきました。いま振り返ると,当時私が所属していたT3 Entertainmentが,根っからの開発会社ということもあって,なんとか達成できたのかもしれません。そう思えるくらいハードな作業でした。

4Gamer:
 ソースコードの解析が終わり,本格的に開発作業が始まってからはどうでしたか?

Yoo Ra Kim氏:
 そこからはもっと大変でした(苦笑)。
 旧バージョンのHELLGATEをプレイされた人ならお分かりかと思いますが,このゲームは,RPGとTPSをミックスさせたシステムなど,ゲームとしての面白さはたくさん持っています。しかし,これを“オンラインゲーム”として見ると,不十分な箇所が多く,不足点を一つずつ補っていく必要がありました。

4Gamer:
 当時のHELLGATEは,オンラインゲームとしてどの部分が欠けていると感じましたか?

Yoo Ra Kim氏:
 一言で述べると“持続性”でしょうか。
 HELLGATEをプレイすると,最初の数日から数週間は非常に楽しめます。しかし,それが1か月くらい経ってしまうと,コンテンツを消費し尽くしてしまい,遊ぶことがなくなってしまうのです。オンラインゲームは何年も続くことが前提のサービスですので,それでは大きな問題があります。

4Gamer:
 なるほど。

Yoo Ra Kim氏:
 本当は,Flagship Studiosとの権利問題をクリアしたら,すぐにでもサービスを再開したかったんです。しかし,仮に当時のままのバージョンで再開させたとしても,オンラインゲームとしては成功できなかったことでしょう。
 そこで,現代のオンラインゲームとして通用する,最低限の環境を整えるために,大規模なリニューアル作業を行いました。それが“HELLGATE:Resurrection”(再生)プロジェクトです。

4Gamer:
 韓国では2009年11月に,「HELLGATE:Resurrection」としてサービスが開始されました。それから5か月半が経過していますが,現地プレイヤーの反響はいかがですか?

Yoo Ra Kim氏:
 Diabloシリーズから受け継ぐハック&スラッシュとしての面白さや,アクションの爽快さは,依然として評価が高いですね。それらがRPG+TPSのシステム上で実現されているのが,HELLGATEの一番の醍醐味だと思います。我々も,Flagshipのソースコードを解析するにつれ,いかに彼らの開発力が高かったのかを実感しました。
 そして,それらのHELLGATEが元々持っていた面白さに加え,T3とHanbitグループが持っている,持続的に遊ぶコンテンツを作るノウハウが組み合わさることで,トータルバリューが高くなっています。

4Gamer:
 引き継いだ当初に見受けられたオンラインゲームとしての弱点は,現状ではひととおりカバーしきれているのでしょうか。

Yoo Ra Kim氏:
 まだ完璧とはいえず,現在も開発中の項目が多数あります。ですが,問題の根っこの部分に関してはほとんど対処できているかな,と思っています。



あらゆる部分が変わる? 日本での再生第2段階


4Gamer:
 新生HELLGATEのワールドワイド展開は,どのような予定でしょうか。

Yoo Ra Kim氏:
 サービスを予定している国に関しては,運営契約がほぼすべて終了しています。あとはローカライズ作業が終わり次第,順次サービスを開始していきます。まずは韓国でサービスを行いましたが,その次は日本です。続いて東南アジア,中国,台湾,北米といった国々でのサービスを予定しています。
 ただし,東南アジア以降は,日本のバージョンをベースに翻訳していきます。今年一杯は日本バージョンの開発に専念する予定なので,他国へのローカライズ作業が始まるのはそのあとで,早くても来年初頭からになります。最終的にすべての国でのサービス開始は,2011年中を目標としています。

4Gamer:
 HELLGATEは世界中で注目されているタイト
引用元:Reign of Revolution 情報局

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